2012年3月1日木曜日

うっかり、ひっこし(1)

昨日(2月29日)、私は引っ越した。

その様子を今書こうというわけだけど、わざわざ24時間経ってから書いているのは、引越直後はあまりにも疲れていて、書こうという思考が働く前に寝てしまったからだ。床の上で。

引越当日の朝も、目覚めたときは床の上だった。たぶん、前日に風呂や台所の掃除を頑張りすぎて疲れていたのだと思う。「敷金を(どう足掻いても免れ得ないクリーニング代は除いて)全額取り返すぞ」と躍起になった結果、ガスレンジの換気扇を水酸化ナトリウム(廃油で石けんを作った余り)で洗うほど徹底したクリーニングをおこなってしまった。

 一通り清掃を終えて、色々な手続きのために外出してから夜に帰宅した直後、ふと休むつもりが、居眠りしてしまったのだと思う。そして起きてから気がついた。

クリーニングを頑張りすぎて荷造りがまだ終わってない。

残っているのは割れないよう梱包しないといけない皿などである。必死になって作業を進める。

午前10時、大量の未梱包品をあとにして、新居の鍵を受け取るためにいったん不動産屋へ。 そのとき引越屋から電話が来た。
早ければ午前11時に到着する予定だったところが、正午から午後0時半になる見込みだという。

1時間の差は大きいーこれは行ける!

そう思って、一旦研究室に寄って別の用事を済ませたのが間違いであった。

午前11時頃、余裕を持って皿を詰め込む私の元へ引越屋から2回目の電話があった。

「作業が早く終わったので15分後にお伺いします!」

死の宣告である。

心の中で悲鳴をあげながら電話を切り、その場で割れてしまうんじゃないかという勢いで皿を箱に放り入れる私。が、間に合わない。皿は詰め込めても、まだ大量の小物類が残っていた。
本棚・食器棚・机の引き出し等はすべて空にした代わりに、梱包してない物がそこらじゅうに散らばっているので、実質以上に「荷造りが進んでない」ように見える。そして無情にも作業員はやってきた。

部屋を見て一言、
「うわー…梱包できてない物は運べませんからね」
さすが大手引越社…じゃなかった引越屋、信頼はできるが対応が物凄く官僚的だ。

見積もり担当者が見落としていた品があったときは、チェック表を見せて「リストにないので運び出せませんよ」と半ば脅されてしまった。これについては最初にインターネットから申し込んだ際に申告しているし、営業担当者が見積もりに来たときは一つ一つを私に確認することなく
「ざっと見ましたが大丈夫でしょう、一応このようにチェックは付けておきますがそれに関わりなく『全て運びます!』」
と契約書に書きながら私に言ってくれたのだ。

普通なら作業員が2人来るところを、(おそらく)新人がいるとはいえ3人も来たので、搬出作業は極めて早かった。私も梱包を必死で進めて、かろうじて全家具撤去と同時に最後の箱を梱包。「荷造りする時間はなかったんですかw」とからかわれる。
要領が悪くてすみませんね…

搬出完了は午後1時前。タイミング的に昼食を挟むかと思いきや、「このまま搬入へ向かいます」と言われる。おおう。

「自転車ですかw いけますかw 大丈夫ですかw」

ものっすごく馬鹿にされてる気がしたので、ええお待たせしないように急ぎますね、と言うと部屋を施錠し、速攻でヘルメットを被って自転車に乗った。

新居へは既に自転車で行ったことがある。時間も把握している。トラックがよほど要領よく出発しなければ余裕で勝てる。へっ、見てろ、と思いながらムキになってペダルをこぐこと約2,3分。
作業員から電話が来た。

「あの…すみません…部屋にトラックの鍵を忘れちゃったみたいで…」

Σ(゚д゚|||)  ……  m9(^Д^)

相殺された。
私のスタートダッシュ(約1km)が打ち消されたが、 作業員に対する負い目も完全に消滅。というか、これ以降作業員の態度は一変して丁寧になったのであった。

結局この後でも、私は圧倒的に早く新居に到着したのだが、引越トラックは道が分からなくなってしまい結局私が途中まで迎えにいかなければならなくなった。
ただ、このとき引越屋が道に迷ったのには訳がある。私がそれに気づくのは翌日のことであり、大変な悲劇につながるのだが、それについては別の機会に…

搬入は何の問題も無く終了。私が終了確認のサインを終えて作業員がトラックへ戻ったと思ったら、直後に慌てて帰ってきた。
「すいません、領収書をお渡しするのを忘れてました」

依頼主も、作業員も、うっかりやさんでした、ということで。

0 件のコメント:

コメントを投稿