2012年3月11日日曜日

iOSの星図アプリで土星の環を再現

先日、iPad の星図アプリをいくつか紹介したばかりだが、その後これらを使って調べ物をしていたときに気づいたことがある。
それは土星の環(リング)の描写だ。以下では iPad での再現画面を掲載するが、各アプリには iPad 版と iPhone 版があり、いずれも同じ挙動であった。

土星の環は、約30年周期で傾きが変化する。2009年には地球に対してほぼ真横を向いていたが、現在は幾分傾いている。このことを念頭に置いて比較画像をご覧いただきたい。

参考:土星の環の見え方(ぐんま天文台)

Starmap:2012年3月12日の土星
まずは Starmap。機能の豊富さに定評のあるアプリだが、環の傾きが再現されていない。ずっと真横を向いている。
せっかく衛星の位置を完璧にシミュレーションしてくれているのに、これはもったいない。
Star Walk:2009年9月4日の土星
続いて Star Walk を試す。さすが、土星の描写は美しい。…が、この星図は2009年9月4日、地球から見て土星が真横を向いた日の再現であり、環は消えるように細くなければいけない。
結局、Star Walk も1つの土星画像を星図に貼り付けているだけらしい。
Pocket Universe:土星的な何か
次に Pocket Universe。…これは最初に土星へズームインした時点で結果が読めたが、一応律儀に2009年9月4日に設定してあげた。
いやあ、このテクスチャで傾きだけは再現していたら驚くよ。…もうちょっと頑張れ。

iステラ:2012年3月11日の土星
最後はiステラ。
2012年3月11日の土星はこのとおり。環が北側の面を見せていることに注目。これが正しい姿である。Star Walk と Pocket Universe は逆になっていた。
iステラ:2009年9月4日の土星
2009年9月4日、環はちゃんと消えている!
ちなみに土星に限らず、全ての惑星は自転速度や地球から見た傾きを考慮した表示がなされている。
そんなわけで、土星の環の見え方を再現してくれるアプリは、私の持っている範囲で iステラのみ。
衛星の位置も確認したいことがあるので、観望会では今までどおり Starmap との併用になりそうだ。しかしその Starmap が環を再現していないことに気づいたのは少しショック。

※なお、私自身 iステラとはそれなりに縁がある立場なのだけど、本記事は気づいたことをありのままに書いただけで、他意は無い。あくまで一つの検証記事として参考にしていただければと思う。

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